小湊鉄道は、東京から約1時間のJR内房線の五井駅から30〜40分に1本運行され、終点の上総中野駅までは1時間10分ほどで到着します。18の駅がありますが、無人駅が多く、車掌さんが改札もしていたりもします。緑豊かな田園と美しい渓谷を通るローカル線です。
出発はJRも停まる五井駅。12階立てのサンプラザ市原のビルがそびえ、ミニ映画館、映像美術館、フィットネスクラブや温水プール、展望レストランもあり、若者で賑わっています。ローカル線のイメージとはほど遠い都市的雰囲気の駅ですが、賑やかなJRのホームに並んでディーゼル列車が停車しているところに風情を感じます。
五井駅周辺は住宅街。しかし隣りの上総村上駅は早くもローカルな雰囲気を味わえます。駅舎は大正6年建造という情緒あるたたずまい。周囲の田園からカエルの声も聞こえています。社員の手で上りホームを高くしたそうです。
次の海士有木駅は女性の駅員さんだけです。「海士」は「海女(あま)」で、昔はこの辺りも海だったのではないかという説もあります。将来、この駅まで京成線を伸ばす計画もあります。
上総山田駅を過ぎると広大でのどかな田園風景が広がり、線路脇には色とりどりの野花が咲いています。比較的大きな街の上総牛久駅を過ぎるとさらに自然度は上がります。
海士有木の次に停車した上総三又駅は無人駅ですが、近所の人が掃除をしていました。
木造で青いトタンの外壁の大正14年建造の駅舎は上総鶴舞駅。看板や使用されなくなった券売所に当時の面影があります。「関東の駅百選の碑」やホームの反対側には「鶴舞発電所跡の碑」があります。
上総鶴舞駅を出て次の上総久保駅や高滝駅までは田園風景が続いています。まるで田んぼの畦道を走り抜けているかのようです。ずっと遠くまで田んぼが続いており開放的な気分になります。高滝湖を渡ると間もなく高滝駅に到着します。
高滝駅から歩いて10分ほどの所には千葉県最大の高滝ダムがあります。3時間ほどで回れるダムを一周するハイキングコースもあります。
山あいにひっそりとたたずむ無人駅は月崎駅。本当に何もない駅ですが、それがかえって旅情を誘います。
上総大久保駅から少ししたところに乳牛育成牧場があります。千葉県は牛乳生産量では北海道に次いで全国第2位の酪農王国です。この駅を出るといよいよ渓谷地帯。眼下に養老川を望む高さ20mもある鉄橋を渡ります。
養老渓谷は房総内陸部では最大の観光スポットです。この駅止まりの列車も多く、駅前は数軒の店があるだけですが、これでも沿線では大きな街です。無人駅の多い小湊鉄道ですが、この駅は乗務員の交代や休憩等に利用されるので職員も多いようです。
養老渓谷駅を出ると、いよいよ終点の上総中野駅です。この駅も無人、山あいの静かで小さな駅です。ここからの旅はいすみ鉄道にバトンタッチです。 |