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ある年のこと、房州の沖にマグロの大群が押し寄せ、とび鯛、アジ、五島マグロ、カジキなどが沢山入ってきたことがありました。
しかし、肝心のエサにする大イワシが1匹も取れません。
外房の漁師はガッカリして、「宝の山に登りて宝を得られず」とうらめしそうに海辺に立って、数万のまぐろの群れを眺めていました。
ちょうどその頃、源六親方はマグロ取りの研究していました。
マグロ針は普通のひばしほども太いので、小さなイワシをさすことが出来ません。
そこで源六親方は銅針金で小さな針を作って、これを本釣りの竿にテグスでつり下げ、小さなイワシをつけて釣ることを工夫しました。
釣ってみると釣れるは釣れるは、たちまち船いっぱいに釣り上げました。
源六は成功を喜び人々に呼びかけ、俺を信ずる者は今日からでも実行してみるがよいと、指導しました。
翌日からは、誰一人疑う者もなく誰も彼もの船は満載のマグロを得て、付近一帯は大マグロの大漁が続きました。
エサのイワシは、いかに小さくとも使用することが出来るようになり、「房総の孫釣」と称し70年〜80年間も大きな利益を与えました。
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