計算された様式美とラフさの対比
3大ギタリストと称されるClapton、Beck、Pageだが、他の2人が、職人技の技術とエモーションで聞かせるのに対し、Jimmy
Pageは少し違う。彼の場合、他の2人よりも作曲能力、アレンジ能力が圧倒的に優れていると言え、そのせいか、ソロも計算されたものが多い。この点はギター・プレイそのものではないのでここでは深くは触れない。それでもギター・プレイにも関係あるものとして、リズムの遊び的な曲を紹介しよう。色々あるが、ここでは最も代表的な『Black
Dog』を取り上げてみる。この曲、比較的シンプルなギター・リフがメインで、実際弾いてみても全く難しくはない。しかしバンドで演奏するには非常に難しく、ちょっと練習しただけではとても弾けないだろう。聴いているだけでも難解で、リズムに強くない人には、たんに間違っているように聴こえるかもしれない。これがリズムのちょっとしたヒネリによる効果だ。リフの長さが4拍半のため、連続して弾くと半拍ずつズレていくのだ。頭を半拍ズラすだけで、これほど難しくなるとは、という代表例だ。個人的にはこの曲のエンディング・ソロやバッキング・リフもヘヴィでカッコいいと思う。『The
Crunge』『Kashmir』も彼ならではのヒネリの効いたリズムが面白い。
ギタープレイとして特筆すべきはアコースティック・プレイにあるだろう。『Over The Hill And Faraway』も素晴らしいが、『The
Battle of Evermore』と『Rain Song』が最高だ。『The Battle of Evermore』は不思議な音のハーモニーが堪能出来る。おそらく変則チューニングによるものだろう。何本ものギターが独特の世界を織り成している。『Rain
Song』も変則チューニング。壮大な曲構成も素晴らしいの一言。アコースティックで淡々とコードを弾いているだけだが、計算されつくしたアレンジで独特な世界を生み出しており、耳だけでコピーするにはプロ級の努力が必要だ。
最後に、ハードロック史上に残る名曲『Starway To Heaven』を紹介しないわけにはいかないだろう。曲はアコースティックギターとリコーダーで静かに始まる。半音階のベースラインやFM7のコードが美しい。やがて階段を昇るがごとく、延々と繰り返されるフレーズがだんだん力強さを増し、ついにバーンと昇りつめる。ここからのソロは彼のソロの中でも屈指のものと言えるだろう。完成度が高く、怒涛のエンディングに流れ込む。静かに始まったイントロからは想像もつかないヘヴィさ。テンポまで変化している。言うまでもなく、全て計算されつくしてのものだ。
Jimmy Pageと言えば、トレードマークのレスポールを低く構えてワイルドに弾きまくる姿も印象的である。弓によるプレイはご愛嬌?
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